Title: ふたつのお星様たちへ
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小さな、小さな二つの命は、確かにそこにあった。 本当に小さかったけれど、間違いなく存在していた。 その事実を知った時、正直、不安や戸惑いの方が大きかった。 もちろん喜びもあったけど。
その事実を受け止め、覚悟ができ、前向きになれた矢先のことだった。
12月21日、9週1日で受診した大学病院での初診。 医師が当たり前のように、感情もなく淡々と話す言葉の意味が、全く理解できなかった。 途中から何も頭に入ってこなくなった。
手が、肩が、身体が震えだした。 診察室を出て、待っていた主人の顔を見て、何かが壊れたように涙が溢れて止まらなかった。
「どうしたの?何?」 ただ泣き続ける私に、旦那は困惑していた。 泣きながら、医師から告げられた事を旦那にも伝えた。 絶句していた。
息子は、妹が欲しいと楽しみにしていた。 旦那様は、クリスマスプレゼントは双子が欲しいと言ってくれた。 息子の誕生後、ずっと待っていたプレゼント。 やっと、やっと届いたと思っていた。
それなのに。 イヴに手術を受けた。 今年のサンタクロースはなんてひどい事をするの? 私から、家族から、笑顔も休みも自由も、みんな奪っていった。
この週末はイルミネーションを見に行く約束をしていたのに、 私の病院通いのせいで、息子をどこにも連れて行ってあげられなかった。
私はただ安静に、寝てるだけしかなかった。
旦那様へ 楽しみにしてくれていた、真夏のクリスマスプレゼント、ちゃんと守れなくてゴメンナサイ。 ほぼ寝たきりの私に代わって、お料理、買い物、洗濯、子どもの相手まで、本当にありがとう。
息子へ せっかくのお休み、クリスマスなのに一緒に遊んであげられなくてゴメンね。 お出掛けできなくてゴメンね。 ワガママも言わず、お利口さんにしてくれてありがとう。
ふたつのお星様たちへ 一緒にいられたのはとても短い間だったけど、私も旦那様もお兄ちゃんも、本当に幸せだったよ。 今日もあなた達が夢に出てきました。 きっと、あなた達が私を守ろうと身代わりになってくれたんだと、私は思っています。 いつか、お空で会えたらその時はいっぱいお礼させてね。 ステキな夢を、ありがとう。
こんなクリスマス、二度と思い出したくはないけれど あなた達と過ごした素敵な、夢のような日々を忘れたくないから 良くも悪くもあるこの思い出、日記に残すことにしました。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
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