Title: 子宮外妊娠
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12月4日 今まで何十回とやってきた妊娠検査薬で、初めての陽性反応。 ママはうれしくて泣きました。 パパはびっくりして、逆に冷静でした。
12月6日 産婦人科を受診。 待合室で待ってる間は本当に幸せでした。 順番が呼ばれて診察室に入ると、 「尿検査でも反応でてるね。赤ちゃん見てみようか」と言われました。 診察台でエコーを見ると、雑誌でみた赤ちゃんと違う。 丸くない。潰れてる。 先生は「ダメかもしれないねぇ」と、言いました。 その後は、頭が真っ白になって記憶がありません。 ただ、号泣してました。 「来週、赤ちゃんが見えなかったら手術しようね」 帰りの車で、パパに泣きながら電話しました。
地獄のような1週間。 淡い期待を抱きながら、もう一度エコー検査を受けた。 やっぱり潰れてる。赤ちゃんも見えない。 「手術しましょう」 パパに無理を言って、手術中、付き添ってもらった。 手術前の筋肉注射、生まれて初めての体験、すごい痛かった。 4時間後、麻酔から覚めて帰宅。 帰りにはおひるごはんを食べられるくらい元気になっていた。
1週間後の術後検診。 いつものエコー検査で何かがみえた。まだ胎嚢がある。 「こないだの手術でキレイに取れたのに、また大きくなっちゃってるねぇ。hcGも高いままだね」 言われてみれば、陽性反応がでてから、ずっと胸が痛い。 張りはないけど、確実に大きくなっていた。 「もう一度手術しましょう。木曜日に来て下さい」
赤ちゃんはもういないのに、また手術を受けなきゃいけないことが、嫌だった。 でも、次の妊娠の為に子宮を綺麗にしなくちゃね。 今度の手術はお母さんに付き添ってもらった。 心配かけたくなくて、手術前は明るく振舞った。
麻酔で意識がはっきりしないなか、誰かが話しかけてきた。 「たまごママさん、わかりますかー?これから総合病院に救急搬送しますね。手術の途中で、子宮外妊娠してるのがわかったの」 意識がハッキリしないまま、理解しようと必死だった。
お母さん、ごめん。心配かけたくなかったのに、死ぬ程心配かけてしまった。 すぐに総合病院の処置室にうつされて、先生に囲まれた。 あっちもこっちも機械がつながっていた。 エコーを見てた先生が「左の卵管で心臓動いてます」 赤ちゃん、生きてたんだ。 2回も手術したのに、卵管で成長してた。 ごめんね。生きようとしてたのに、全然気づかなかった。
すぐにオペ室へ連れていかれて、今度はマスクからの麻酔。 腹腔鏡手術。お臍に穴一つ。下の方に5cmの切開。 気付いた時は、悲しみよりも怒りが込み上げてた。 もう嫌だ!もう嫌だ! 次の日の朝になっても怒りが収まらず、先生の許可なしでオニギリを食べた。 尿管が入ったままで起き上がってみた。 痛い!でも、早くこんな所から出たい! 先生にお願いをして、術後3日で退院した。 申し訳ないけど、看護師さんにあたった。
パパは救急搬送された後、すぐに駆け付けてくれなかった。 パパが来たときには、すべて終わって、夜になっていた。 ママのお母さんが、 「落ち着きなさい。命に関わる事じゃないから、仕事終わってからでいいから」 パパなりに、いっぱい考えて 言われた通りに来たんだと思う。 でも、ママはまだ、その事がショック。
術後2週間たったのに、悲しみは増す一方。 情緒不安定になり、ここのところ、ごはんも食べてない。 わかってるのに、前に進むのには まだ時間が必要。 パパにあたってしまい、パパまで精神的に参ってきてる。 申し訳ない。
来週、メンタルクリニックを受診する。 強くなりたい。受け入れよう。 次は、絶対会えるよね。
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