Title: 9週 稽留流産
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結婚する前から、はやく子供が欲しいねと話していたものの、 生理不順や、多嚢胞性卵巣症候群を抱えていて、 思うようには、妊娠出来ないんだろうと思っていました。
それなのに、まさかのハネムーンベイビーがきてくれたんです。 嬉しくて、彼と泣いて喜びました。
悪阻はひどかったものの、母子手帳をもらって8週の検診では、心拍も確認出来てとても順調でした。
だけど9週に入ったある日、ひどい下痢と嘔吐にみまわれ緊急入院することになりました。 翌日には症状も治まりましたが、ひどかった悪阻も全くなくなりました。 朝の回診で先生にその事を伝えると、一瞬先生の顔色が曇り 「一番で見るから外来に来てください」と言われました。
だけど、まさか、自分に何かあるわけが無いと思い込んでいた私は、エコーを見て地獄に突き落とされました。 動いてない・・・。 「心拍が確認出来ないから、今日は一旦帰って、明日また旦那さんと来てください」という先生の言葉の意味が、理解出来ませんでした。 他にも沢山説明してくれていましたが、ほとんど私の耳には届いていませんでした。
手術が決まり、前処置のために手術前日からまた入院しました。 再入院した時から泣きじゃくっている私に、一人の看護師さんが私のお腹に顔を近付けてこう言ってくれたんです。 「あなた、こんなにも愛されてたんだよ。また、待ってるからね」と。 私にではなく、もう心臓を動かさなくなってしまって、明日には完全にいなくなってしまう我が子に。
まさかそんな事、人に言ってもらえるなんて思ってもいなかったので、驚きました。 同時に、看護師さんの優しさが嬉しかったのと、こんなダメなママだったけど、この子のママでいる事を認めて貰えた気がして、また号泣しました。
あれからもうすぐ1年が経ちます。 子供は欲しいけれど、まだ少し怖いです。 ただ、あの子が教えてくれた夫婦の絆や、人の優しさ 暖かい気持ちは一生忘れません。 また、いつか必ず会いたいです。
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