Title: 6週 初期流産
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ママは19歳、大学2年生です。 パパは26歳の社会人で、私たちは未婚です。
生理が少し遅れていることに気がついたと同時に、あなたがお腹にきてくれたことがわかりました。 妊娠検査薬を使った5月20日のことは、よく覚えています。 仕事から帰ってきた彼は、すぐに私を抱きしめて「おめでとう」と言ってくれました。 学生であり未婚であること、私自身の経済力の無さ。 ものすごい不安に押しつぶされそうになりながらも、さまざまなことを二人で乗り越える決意をしたのです。
5月29日、あなたが育つための小さな小さな袋が見えましたね。ママ、とても嬉しかったんだよ。 だけど、その翌日から出血が始まりました。 すぐに病院に行きましたが「薬を飲んで安静にするだけ」と言われました。「流産かもしれないから、覚悟は必要だ」とも言われました。 とても怖かったけど、私はあなたを信じました。きっとすくすくと育ってくれると。
その日に、流産の可能性もあることも含め、親族へ報告をしました。実家の両親や彼の家族は驚いていましたが、喜んでくれました。 時期を見て入籍し、切りのいいタイミングで大学を中退することに決めていました。
出血は3日間でおさまりましたが、今思えば、本当に大量の出血でした。確かに、それまであった吐き気や胸の張りも、出血とともにおさまっていたこと、本当はそれで少しずつ覚悟していました。 それでももちろん、最後まであなたの生きようとする力を信じました。
6月6日、出血が始まってから1週間後。 エコーは、本当にきれいで何も見えませんでした。 「赤ちゃんの袋、流れちゃったね」と、先生は言いました。 何度も聞きました。 どこにもありませんか?もうだめですか?と。 やっぱりあなたは、もういませんでした。
あなたは、本当にあっという間に居なくなってしまいました。 それでも、あなたが私のお腹に、私たちの間にきてくれたことは、今まで生きてきた中で何よりも素晴らしかったよ。 若くて未熟な私の中にも、少しずつ芽生えていく母性は本当に愛おしかったんだよ。 きっと色んなことを、伝えるために来てくれたんだね。 だけど今はまだ、あなたの不在を悲しむことしか出来ません。 ごめんね。
パパとはずうっと一緒にいるよ。 ママは泣いてばかりだけど、パパはとても前向きです。 パパが言うように、きっとあなたはまた私たちの所にやってくる。そのときは、あなたが安心して育ってくれるようにしておくからね。
短い間だったけど、私と一緒に生きてくれて、本当にありがとう。 しばらく泣いてばかりいるかもしれないけど、そんなママをどうか許してください。 こんなに未熟で幼いママだったけど、何よりもあなたを愛したよ。これから先も、ずうっと愛しているからね。
最後に、私の中に宿った小さな生命と私の身体を案じてくれた周りの人々への感謝と、この文章を読んでくださって、あの小さな生命のことを知ってくれたあなたへ感謝します。 ありがとうございました。
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