Title: 33週 死産
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愛しい我が子との別れは突然でした。
子どもと関わる仕事をして10年。 そろそろ自分の子どもを育てたいと思っている時に、妊娠が判明しました。
驚きと嬉しさでいっぱいの中、妊娠生活の始まりは幸せばかりではありませんでした。 職場では責任感がないとお叱りを受け、泣き続ける毎日でした。 それでも、仕事中はつわりもひどくならず、お腹が張ることもなく、おとなしく、すくすくと成長してくれていました。
数ヵ月が経って私のお腹が目立ってくると、周りの態度はどんどん穏やかになっていきました。 温かい言葉をかけてくれる人も増え、見ず知らずの人にも助けてもらいながら幸せを噛みしめる毎日が訪れて、あとは、無事に産まれてくることを待つだけでした。
赤ちゃんが着る服や肌着、ベビーベッドにチャイルドシートの買い物は、こんなに幸せなものかと思っていました。入院準備さえ楽しみで仕方ありませんでした。
最後の検診でも心臓は動いており、小柄だから出産しやすいかもと笑っていた程でした。
その3日後、夢を見ました。 女の子が「ママ、いる?ママ、どこ?」とママを探している夢です。 不思議な夢だと思いながらも、余り気にはかけていませんでした。そしてその翌日、胎動が感じられなくなりました。
しかし、9ヶ月に入ると胎動が減るという情報もあり次の検診で相談すれば良いやと思っていました。 その3日後、出血し病院に行くと、心音が確認できず、SIDSと診断されました。 信じられなかった。世界が暗く見えました。
発覚したのが土曜日で、月曜日に人工分娩で外に出す予定でしたが、その日の夜に自然に陣痛が始まり、自分の力で出てきてくれました。とても安産でした。
亡くなって1ヶ月。 幸い私は、友達の子どもや姪を見て、素直に可愛いと思えます。 時々、あの子も大きくなったらこんな風に笑ったり遊んだりしたのだろうかと思ったり、羨ましく思うこともあります。 でも、それが素直な気持ちなので受け止めています。
私のもとに来てくれた天使は、私の夢を叶え、人の優しさを思い出させ、母親になる素晴らしさと、愛する幸せを教えてくれました。 またきっと私のお腹に戻ってきてくれる。そう信じて、待つことにします。
同じく大切なお子さまを亡くされた皆さまの心が少しでも希望の光に包まれますようにお祈りしています。
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