Title: 39週 臍帯過捻転
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3人目の妊娠でした。 新しい夫との間の第1子でした。 家族4人で生まれてくる赤ちゃんを心待ちにしていた矢先… 39週で、朝から陣痛が来ているにもかかわらず夕方になっても本格的な陣痛にはならず、何か変だなと思って病院へ行くと、心臓が止まっていました。 思えば2,3日前から胎動がとても少なく、私はそれをもうすぐ生まれてくるから頭が下りてきて動きが少なくなってきたんだなと思っていました。
「もう亡くなっている」と医師から告げられても、現実味がなく、手術をすればまた蘇生するんでしょ?と、ぼんやり思っていました。 子宮口が開いていたので、その場で促進剤を打って出産しました。赤ちゃんの力を借りずに自分ひとりの力で産めるのか、ただただ不安で、でもこの子を無事出してあげなきゃ、一目でいいから早く顔を見たい、その一心で、産みました。
産まれてきて、助産師さんが私のおなかの上に載せてくれた時のあの子、本当に本当にかわいかった。 まだ温かくって、ただ寝ているかのようで。なぜか涙は出なくて、上の子たちを出産したあの時と同じ喜びの気持ちだけでした。
喪失の実感がわいてきたのは数時間後。 一人ではいられなくて、誰かにそばに居て欲しくて、夫が隣りに居なくなると、私はこれからどうなってしまうのかと不安に駆られました。
死産から3日後、火葬しました。 その間に、近所の公園を夫と赤ちゃんと私と3人で散歩したり、上のお姉ちゃんに抱っこしてもらったり、買っていたベビー服を着せてみたり、家族写真をいっぱい取って、最後の夜は一緒のお布団で寝て、おむつを替えてあげて、やりたいと思ったことは全てやらせてもらいました。
あれから、6ヶ月が経ちました。 今は普通に仕事もしているし、笑うこともできるようになりました。 それでも、ふとした時、あの子がいれば…と思います。 あの子の為に買い揃えた服やくつ、おんぶひもは、捨てることはおろか、しまうこともできません。 死産直後の頃よりも、小さい子供連れのお母さんを見るのがつらいです。元気がなくなった時は、あの子のお墓参りに行くと、少し元気が出ます。 あの子のことについて、誰かに話したくてしかたありません。 生きている我が子の1歳の誕生日が待ち遠しかったのと同じように、あの子の誕生日が待ち遠しいです。 これからも、そう思い続けるのだと思います。
でも、わが子を失ったこと以上に怖いことなんてないと、いろんな意味で前向きになれました。 色んな事情と私の希望とで、私がもう一度妊娠することはないと思います。もう一人産むと、この子の存在が小さくなるような気がして、怖い。生まれ変わりじゃなかったら…と思うと前に進めない。夫には申し訳なく思うけれど、踏み出すことができない。
でもそれでいいと思えるようになりました。 末っ子は生きてはいなくても、我が子はずっと3人兄弟です。 あの子が、残された私たち4人を本当の家族にしてくれた、そう思えてなりません。 上の子2人も、たびたび、あかちゃんがいてくれたら…とさみしがります。今は、この悲しみを分かち合える我が子と夫がいることが幸せだと思えます。
この子が生きて産まれていたら気が付かなかった大切なことに、たくさん気が付きました。我が子を失って、得られるものもあります。あの子には、感謝してもしきれません。 私の娘として産まれてきてくれて、本当にありがとう。
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