Title: 流産 11週6日
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32歳です。 アルバイトをしていますが、肉体労働ではありません。 只今、手術後のベッドの上です。 先日の検診でお腹のなかで第2子となる赤ちゃんが亡くなっていることがわかり、先ほど手術を受けました。 流産が判明した日で、11週6日でした。
お医者様は第1子の妊娠時からお世話になっている地元でも評判の良いクリニックで、 今回の診断も、手術の処置も、信頼してお任せ致しました。 それでも流産がわかった直後は、流石に頭が真っ白になりました。それは第1子があまりにも妊娠経過が順調で、初産ながらも8時間かからない安産で元気いっぱいで生まれ、 その後も病気ひとつせずスクスクと育ったので、 お腹の第2子もてっきりそうなるものと信じて疑わなかったからです。
しかし、色々と調べますと、流産は決して珍しいことではないことや、主人は41歳、私は32歳と決して若い夫婦ではないことから、前々からある程度このようなことも起こりうるであろうことを覚悟していたこともあってか、冷静に受け止めることができたと思います。
診断から手術までの4日間は、手術への恐怖心や、亡くなったお腹の子が不憫で、涙がとまりませんでした。 しかし、明けても暮れても涙を流している中で、改めて主人の優しさや支えが如何に大きいものであるかや、 健やかに日々成長している第1子が如何に奇跡的なかけがえのない存在であることかを再認識し、 より一層家族の絆が深まる出来事でもあったと思います。
確かに、お腹の中にいようが外に生まれ出ていようが 、自分たちのかけがえのない子供を亡くした悲しみは相当に深いものがあります。 でも、夫婦揃って悲しみから逃げずに向き合うことで、順調な妊娠・出産だけでは得られない大きな気付きを得られたことも、揺るぎ無い事実です。
無事手術を終えた今、亡くなったお腹の子への感謝の涙が時折溢れております。 「私達を成長させてくれて、本当にありがとう。」
さて以下は、手術の体験を書きたいと思います。 稚拙ではありますが、これからこのような手術を控えていらっしゃる方や検討されていらっしゃる方のご参考になればと思います。
手術当日は、開院の9時までに受付を済ませ、最後の内診を受けました。主人が同伴してくれました。 お腹の子の死亡を再度確認し、待機室兼回復室へ案内されました。ここで看護師さんから手術の説明を丁寧かつ親切に頂き、不安がだいぶ無くなりました。
こちらの院はお医者様は先生お一人でまわしていらっしゃるため、外来の患者さんの診察が一通り終わるまで、案内されたお部屋で主人と談笑し、順番を待ちました。
11時頃に看護師さんから「そろそろ順番が来ます」とご案内頂き、その際に術後服用するお薬のご説明を頂きました。 手術中は、主人は一旦帰宅することになりました。 恐らくは、術中に患者さんが無意識の中で苦しんだりもがいたりする様子を近親者に見せないようにする配慮かと思います。
お薬の説明の後、いよいよ手術台へ。 先生お一人と看護師さんお二人が、笑顔で迎えてくださいました。 不安と恐怖も最高潮となり、思わず先生に 「私、お酒を相当に飲むんですが、麻酔が効かないんじゃないかと不安でしょうがないんです!」と言ってしまったら、 先生に「お酒が強い人は効かないな〜、困ったな〜(笑)」と冗談を仰って頂き、一気に気持ちが和みました。
そんなやり取りをしながらも、点滴や心電図を装着して、看護師さんからの「麻酔を入れますよ。一緒に数を数えて下さい」の合図と共に、フワフワとした気持ちいい感覚が徐々に強くなっていきました。 眠りに堕ちるよりも早く、スッと意識が薄れました。 まるで良いお酒をたくさん頂き、そのまま布団で眠ってしまうようでした。
気付いたときには、看護師さんお一人が点滴を片付けていらっしゃるところでした。 まだ深めのほろ酔いのような気持ちの良い感覚が身体に残っていましたが、子宮の辺りの軽い生理痛のような痛みで、手術が終わったことがわかりました。
術中の様子を看護師さんに訪ねると、どうやら初めは無意識の中で「痛い、痛い」と言っていたようですが、実際は何一つ痛みなど感じませんでした。 付き添われ、待機室兼回復室へ。
気づかぬ間に痛み止の座薬を入れて頂いたようで、軽い生理痛のような不快感も数分のうちに消えてなくなりました。 また、麻酔のほろ酔い気分も徐々にぬけ、爽やかな気分になりました。
苦痛や吐き気は一切無く、むしろ最近は流産の悲しみや手術の不安で良く眠れなかったことから、手術で深くぐっすりと眠れて身体が楽になったくらいです。
お腹は当然ながらペタンコになってしまいましたが、悪阻のだるさもスッキリと消えてなくなりました。
お腹の子を亡くした悲しみに加えて、手術への恐怖心でずっとモヤモヤとしておりましたが、 幸いにも初期流産だったことと信頼のおける先生の的確な判断と処置のお陰さまで、一切の苦痛無く無事に手術が終わりました。
いままで塞ぎ込んでいた気持ちは、かなり楽になりました。また前向きに日常に戻っていければど思います。
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