Title: 初期の自然流産
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もう20年以上前のことです。 最初の子供が1歳半をすぎた頃です。 生理が遅れているなと思っていましたが、主人が急遽入院、検査に明け暮れて、バタバタと動いている状態でした。
出血が始まったので「遅れていただけか」と思いましたが、出血が増えないまま1〜2日すぎたので、さすがにおかしいと気づいていました。 しかし、その日も外部の病院へ主人の検査のために出かけていましたので、自分の体のことは後回しになっていました。 夕方、台所に立っていたときにいきなり大量の出血が有りました。近くの産婦人科医で処置してもらい、一晩入院しました。
妊娠初期の自然流産と言われ、胎児は小指程度の大きさでしたと言われました。 「染色体異常によるもので、可哀想だけど赤ちゃんに産まれてくるだけの力がなかったんですよ。」 めまぐるしい事態に感情が追いつかず医師の言葉を淡々と聞いていました。
翌朝、母が上の子をつれて医院にきたときに、子供の顔を見て初めて涙がでました。 もう2年頑張れたらこの子くらいになっていたかもしれないと思ってかわいそうで泣けました。
自分が流産して初めてわかったのですが、この自然流産の経験者は身の回りに結構いるのです。 会社の人の中に「私もそうだった」という人が何人かいました。 忙しさに紛れて、その後、当たり前のようにふだんの生活に戻りましたが、むしろそれで良かったのだと思います。
普段は忘れていますが折に触れて思い出します。 思い出すのはきっと母親だけでしょう。 その後2人の子を授かり、もう、みな大きくなりました。 亡くした子はわたしの一部なのかもしれません。 そして私は今の自分がやるべきことをやるだけです。
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