Title: 妊娠8週 稽留流産
|
|
35歳、初めての妊娠でした。 7週で心拍確認、その足で母子手帳を取りに行きました。 エコー写真に小さく映った赤ちゃんが、自分でも不思議なほどに可愛くて、愛しくて、お腹の子に話しかける日々。
翌週の検診で、心拍が見えない。成長が止まっている。覚悟してください。と、言われた時には、こういう事もある、と静かに受け止める一方で、とても信じられない!とパニックを起こしそうな自分がいました。
淡々と医師の説明を聞き、手術の予約をして、家に帰ってからとにかく思いきり泣きました。 ああ、こんなに辛いなら、もっと冷静でいればよかった。まだ胎児とも呼べない存在と割り切れれば、どんなにいいだろう。
お腹の子に話しかけるのを自分に禁じて、まだ意識もない胎芽なんだから、自分の思いは妄執なんだと、切り捨てようとしました。 今思えば、悲しみに蓋をしようとしていたのだと思います。
そんな私の背中をそっと押してくれたのは、セカンドオピニョンを聞きに行った、個人病院の先生でした。 とても時間をかけて、丁寧に診てくれて、残念ながら赤ちゃんの心拍はやっぱり消えていたけれど、納得することができました。 なにより、持参したエコー写真を「見せてくれてありがとうございます」と大切なものを扱うように手渡してくれて。 胎芽とか、成長の止まった卵ではなくて、大切な赤ちゃんとして扱ってくれた気がして、本当に嬉しかった。
帰り道は赤ちゃんへのごめんねの気持ちと、安堵で涙がとまりませんでした。手術までの日々を、今まで通り話しかけて、歌を歌ってあげて、幸せに過ごすことができました。 赤ちゃんは沢山のことを私に教えてくれました。 一緒に過ごした時間は、悲しいけれど、幸せな幸せな思い出です。
赤ちゃん、ありがとう。 そして先生、悲しみと向き合わせてくれて、ありがとう。
|
|
|