2015年1月19日(月) 世界遺産 富岡製糸場
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| 昨年10月に兄夫婦と一緒に富岡製糸場を見学した時に、おばあちゃんを連れてきたら喜ぶだろうなあと思い、今回一緒に来ました。 今回はワンコ入場禁止になっていたので、ラチコは車でお留守番。 遥か昔、私が子供のころ、まだ養蚕がさかんで、村のほとんどの家で農閑期に蚕を飼っていました。 母が1日に何度も家の前の桑畑から葉っぱを摘んで来ては与えると、蚕たちは嬉しそうにシンシン、シンシンと音を立てながら食べていました。 1_ほどだった蚕がみるみる大きくなって、人差し指ほどの大きさに成長すると、たまに作業場から脱走するヤカラもいて、茶の間や座敷でうごめいていることもありました。 私は見つけるとそっと手のひらに乗せて、「ここにいたら、ごはんが食べられないよ」 と言って戻してあげました。 蚕はぷにょぷにょした体や目のような模様(子供の頃は目だと思っていた)、ピンと立ったしっぽなどよく見ると愛らしい姿をしています。 そのうちに葉っぱを食べなくなって、透き通るような色白美人になって、上半身(?)を大きく左右に振りながら、口から絹糸を吐いて繭を作るのです。 とても神秘的です〜 この蛾の幼虫である蚕は、親しみと尊敬の念を込めて 「ぼこさま」 と、様づけで呼ばれておりました。 繭玉から糸を取った後のサナギは、乾燥されて錦鯉のエサになったそうです。 佃煮にして人間が食べていた国や地方もあったとか。 桑の葉のご馳走をたっぷり食べ、大事に育てられたお返しに、自らのすべてを人間に捧げてくれる「ぼこさま」は、「様づけ」が当然ですよね。 「ぼこさま」は昆虫の鑑です。 おばあちゃんは、ガイドの方から特別に繭玉のストラップを戴いて、本当に嬉しそうでした。
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