Title: 9週 稽留流産
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少し前まで、喜びと不安の入り混じった、きらきらした毎日でした。 31歳、結婚から1年が経とうという頃、夫が精神科の内服中で、性線機能の障害があやぶまれ、仲良しの回数も減ってしまう中で 妊娠がわかったときは、奇跡だと思いました。
つわりの症状が急に軽くなり、心配になって迎えた2回目の健診で、心拍を確認。 微かにピコピコ動く心臓、私からはっきりは見えなかったけど、 先生はわかったようでした。 まだ赤ちゃんが小さいので、排卵が遅れてたのかも、 2週間後にまた来て。予定日を教えるよ。 そのあとは母子手帳もらってきてもらうからね。
吐き気、胸の張り、便秘など、まだ実感ないけど、確かに赤ちゃんがいるのかしら、と感じながら、2週間を過ごしていました。
赤い血の混ざった茶色いおりものが下着についていて、 あ、と思った。 まさかね。心拍もみえて、一安心、のはずでしょう。 妊娠初期の出血はよくあると、ネットにも書いてあり、気持ちを落ち着けようと一生懸命でした。
それから3日目の夜、鮮血が下着についたとき、血の気が引く思い。 翌朝一番に、夫と産院を受診。 今流産するなら、運命だから受け入れようという冷静なわたしと、 意外と大丈夫で、心拍がみえて、母子手帳もらいに行くのかもと 楽観的な気持ちが、半々。
エコーでの診察。沈黙が10秒。 長く感じた10秒。その間に、ああ、だめなんだなと悟りました。
翌日に手術の予約をして、涙をこらえて帰ってきて。 心は弱いけど、優しい夫に慰められて、いまようやく気持ちが落ち着いてきた。 この2か月、私をママになる希望で満たしてくれた、私たちの最初の赤ちゃん。
命を生み出す喜びより先に、我が子を失う悲しみを知ることになるとは。 どこか他人ごとでいた自分。 深い悲しみを知って、人として、もっと優しくなれるかな。
天使に還ってしまった、わたしの赤ちゃん。 あなたに人生をあげられなかった、お母さんを許してね。 短い間だったけれど、あなたのお母さんでいられた日々は、本当に幸せだったよ。 ありがとう。 また逢う日まで。待っています。 お父さんもお母さんも、日々一生懸命がんばるから、お空から見守っていてね。
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