Title: 妊娠6ヶ月 羊膜索症候群(羊膜索による臍帯血循環不全)
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地方から夫の元に嫁ぎ、無事に挙式を終え そろそろ仕事を始めようかなと思っていたころ、 微熱や体調不良が続いていたため、 もしかしてと思い検査してみると、妊娠していました。
酷い悪阻をこえて、ようやくご飯が美味しくなったころ、 お腹の胎動の異変を感じて病院へ行きました。
その時は「子宮頸管も長さがあり、赤ちゃんも育ってて元気ですよ」と言われ、心音も聞くことができて、 3週間前の検診時より、心音が大きくなっているように感じたので、 不安を抱えながらも、少し安堵して帰りました。
その2週間後、定期検診の前日の夜。 行かないで、やだ、こわい、とずっと言葉が出て 涙も止まらずパニックになり、これがいわゆる第六感だったのかなと思います。 明け方5時に感じた胎動が最後でした。 今日で性別分かるかな?なんて夫とワクワクしながら起きたのに、 病院で「心音が聞こえない」と言われ、成長も止まって胎児浮腫もあると伝えられました。 成長はちょうど病院へ行った2週間前で止まっていたので、 前の時にもっと見てもらえばよかったと後悔しました。 あの日聞いた心音が最後になりました。
即入院となり、その時点では何が原因か分からぬまま、 1日半かけてラミナリアで子宮口を広げて錠剤で陣痛を起こし 2時間で破水、その30分後に出産しました。 25cm221gの男の子でした。
産んだ直後、年配の助産師さんが「これは、しんどかったな…」と言い、 新人の助産師さんを早く拭いてあげなさい!と叱っていたので、何事かと思えば「だって…足が…」と話しており、 なんとなく察しました。 胎動がおかしいと思った日から、同じところしかトントンしなくなったので。
診断は「羊膜索症候群」という、お腹の中での事故でした。 羊膜が何らかの理由でひも状になり、それが赤ちゃんの両脚、へその緒に絡んで血流不全になり、栄養分と酸素が供給できず循環不全になってました。 脚は壊疽していました。 つまり胎動で同じ所をトントンしていたのは動けなかった、ということで、考えるだけでゾッとしました。 年配の助産師さんでも初めてみたぐらい珍しい症例だそうです。
体重が同時期の胎児の半分で、生きようと頑張っていたせいで体重が減ってしまったことが伝わり なんでもっと早く気付いてあげられなかったのか!と自分を責めました。
苦しかっただろうに。お腹空いただろうに。と言いながら 抱っこしたり、ヨシヨシしたり、可愛い息子との初対面をしました。 ちっちゃい指ひとつひとつにしっかり爪もあり、可愛い顔には眉もまつ毛もしっかりあり私に似ていました。
出産して2日後、火葬の日、よく晴れた残暑の日でした。 火葬場に向かう車の中でラジオからスピッツの「空も飛べるはず」が流れました。
君と出会った奇跡がこの胸であふれてる きっと今は自由に空も飛べるはず 夢を濡らした涙が海原へ流れたら きっと傍で笑っていて欲しい
赤ちゃんからのメッセージのように思えて、夫婦で大号泣。 その日の空は忘れられません。
お互いの両親にもきてもらい、葬儀・火葬して頂き、まだ若いから骨が残らないかもしれないと心配されてた骨もしっかり拾うことができました。
自分の子どもを失うことがどんなに辛いか痛感し、 両親には絶対に同じ気持ちを味わって欲しくない 親より長生きすると心に決めました。
生命の儚さ、今生きてることが奇跡だと赤ちゃんに教わりました。 長々とありがとうございました。
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