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2011年7月7日(木)
議場に国旗・市旗掲揚?
本日午前9時より、第4回可児市議会臨時会議が招集された。4回というのは、今年に入ってから2回の定例議会と、2回の臨時議会があったということを示している。
議案は二つ、いずれも専決処分、すなわちすでに執行済みの案件に対する承認であった。その他に発議として、議会推薦の農業委員4名についての提案が議会からあり承認された。
条例改正は、可児市税条例の一部を改正する条例で、6月に国会で成立した地方税法の改正に伴うもので、市民税や固定資産税、軽自動車税等に係わる不申告に関する過料を、3万円から10万円に引き上げるというものだ。
もう一つも税に関する条例で、可児市都市計画税条例の一部を改正するものだが、いわゆる条項づれと言われるもので、第何項の何という文言の番号が替わるだけで、議論の余地はないと言っていい。
前記の条例改正は、市民への負担増になる事案だが、現実のところこの過料を科するような事例はほとんどないという説明であった。結果的には28分で第4回臨時議会は終了した。
ただ、その後の議会全員協議会が1時間以上に及んだ。協議題1の本会議場での国旗・市旗の取扱いについてだけで1時間弱の議論が続いた。ひとつの協議題で、これほど議員間の議論があること自体かなり珍しい。
ことの発端は、六月議会への陳情で議場に国旗と市旗を掲揚してほしいというのが某保守系政党の有力議員からあったことだが、六月議会はすでに終了しているので、さらにまたここで議論することの不自然さの指摘があった。
確かに「陳情」は、ほとんどの場合、管轄常任委員会の「聞き置き」(嫌な言葉だ)とされる。今回のように議会運営委員会で協議され、さらに議会全員協議会にも諮られるということは極めて珍しい。
しかし、その件については議長からの説明があり氷解した。議長ご自身が歴代の議長とも相談した上で、国旗掲揚を進めたいというのが本音のようだ。最古参議員からは、その国旗は33年前にロータリークラブから市と議会に寄附されたものだという事実も披露された。
いわば33年前からの懸案だったのだろう。しかし、そのような重大なことを残り議員任期わずか1ヶ月程しかないこの時期に決めなければならないのかという疑問は湧く。
国旗に対する思いはそれぞれの議員間で大きな隔たりがある。私自身は国旗に対して敬意は持っているし、式典などでの国旗掲揚や君が代斉唱に違和感を持つ者ではない。オリンピックなどで日の丸が揚がれば嬉しくなる。
右でも左でもない。ごく普通の市民感覚で国旗に接していると思っている。やはり程度の問題であり、強制されるべきものではない。
議場の場合は別の事情もある。私たち議員でも本会議場に入ることは、一定例議会で平均4日間、臨時議会を含めても年間20日間もない。それもあってか、議場は神聖な場所という感覚がある。議員も執行部も本会議場に入るとき、出るときに議長席に向かって軽く一礼するのが慣習となっている。
私なりに解釈すれば、議場(本会議場)というのは、市民の代表が集まって協議する場所であり、市民政治の象徴的な場所である。その中心が議長席である。そういう意味で議長席に対して敬意をはらう。
その議長席の後に、日の丸の国旗が挙がっていたらどうだろうか…。誰が見ても国旗に一礼しているように見える。
私は国に対して尊重する気持ちは持っているが、議員としての立場であれば、まずは国よりも可児市民に対して忠誠を尽くす心根を持っている。原発の問題や沖縄基地の問題など、国と地方の利害が対立する事案は多い。
地方自治体は、国の従属物ではなく地方政府という言い方もあるように、
ある意味では自主独立した存在であるべきである。国旗に対しては議会内でそうであるように、市民の間でも様々な思いがある。
その絶妙のバランスの上に現在が成り立っているのであって、ことさらそれを推し進めようとしたり、過剰に反発したりすれば軋轢を生むことになる。
結局、協議は平行線となり、改選後の議員の中からまたそういった提案があればそのときにまた協議することとなった。
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